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生産者を訪ねてvol.1「天草大王公元」

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天草を代表する鶏「天草大王」を訪ねて

 

 天草といえば海、魚というイメージが強いかもしれませんが、

私がまだ関東に暮らしていた時、一番興味があったのが巨大な鶏「天草大王」。

九州出身の友人から美味しい、とにかく大きいと話には聞いていました。

 

 天草市イルカセンターの1階、二江市場にも売られているここ五和町の

天草大王生産者「天草大王公元」さんに梅雨の雨の中、ネムノキの花を横目に、

7月1日に取材しに行ってきました。

 

御領の五和支所の奥の林道を登って行くと出荷した天草大王の慰霊碑が出てきました。たい肥盤もありましたが、特有のにおいは感じません
御領のの五和支所の奥の林道を登って行くと天草大王の立派な慰霊碑がお出迎えたい肥小屋もありましたが、特有のにおいは感じません。

 

 美しい林の中を通りながら、慰霊碑と本来なら臭いと感じると思っていたにおいの気にならないたい

肥小屋があることで、これから取材をさせて戴く公元さんの天草大王の養鶏の取り組みに気持ちを

引き締めさせられます。

 

農場でまずお出迎えしてくれたのが、番犬のシェパードひよこの鶏舎。生後20日のヒナ、まだ雌雄一緒に飼育されている。生後約100日の鶏舎。農場長の寺本正也さんが餌やりの風景を見せてくれました。
まずお出迎えしてくれたは番犬のソープ。一回も吠えることなく、取材中ずっとついてきてくれました。ヒナの鶏舎。生後約20日のヒナ。まだ雌雄一緒に飼育され、遊んでいるよう。奥の木の箱のようなものは電球で保温されている。生後約100日の鶏舎。寺本農場長の餌やりの風景。オレンジ色のものは鶏が争わないで食べれるように360度餌が出る給餌器。

 

育てることは、命を守ること、命と向き合うこと

 養鶏場には外敵がとっても多いのです。以前訪ねた養鶏場は蛇、カラス、イタチ、

タヌキ、野犬などが鶏を襲いに来ることで、鶏が減ったり、襲われたストレスで

産卵しなくなったりと年中被害を出していました。番犬ソープ君の存在は、

計り知れないものがあると思います。

 

 いよいよ、天草大王との対面。初の天草大王は、生後20日のヒナでした。ヒナの鶏舎の傍まで

来ると、代表の堤田さんが急に声をひそめ、足音も抑え、そーっとゆっくり近づいていきました。

「ヒナはまだ弱いので人間が急に早く動いたり、大きな声で話すとストレスがかかってしまうので」

と説明されました。堤田さんは天草大王を飼育されることを、向き合うと表現されてらっしゃい

ます。堤田さんの振る舞いに、私も取材という気持ちから、ここにいる命と向き合わねばと感じた

瞬間でした。

 

 次に生後約100日の鶏舎を訪ねると、農場長の寺本さんが餌をあげる様子を撮影させて頂きました。

今度の天草大王はすっかり慣れた様子。一般的な鶏のブロイラーは51日程度で出荷されるのに対し、

100日飼育された天草大王はまだまだ若者の風体。大きさもまだ大きくは無いものの、精悍さを

感じました。

 

 

生後100日の若い天草大王公元さんの使っている餌。光の差しこむ鶏舎で
生後約100日の若い天草大王。ヒナには小さな粒、成鶏には大きな粒に変えて給餌している。足元の敷料には稲わらともみ殻が使われている。定期的に掃除され、たい肥になる。

 

なるべく自然のままに。

 解放鶏舎といわれる風通しが良く、日光が差し込む鶏舎には、ふかふかな稲わらなどが敷料として

敷かれ、嫌なにおいがほとんどありませんでした。以前ウィンドレスの鶏舎を見学した時は、鶏が病気の

罹患を避ける為の管理法だとは理解できるものの、長く滞在できないにおいだったので、その違いは

大きな驚きでした。

 

 餌も安心安全の観点から非遺伝子組換えで、抗生剤などの入っていない無薬飼料にこだわられている

とおっしゃっていました。ブロイラーの生育期間が50日程度なのに対し、公元さんは130~160日育てる

ことで、お肉に深い味わいを与え、大きく育つようにしているので、餌代は生産コストの大きな割合を

占めるそうです。

 

 敷料には飼育時と、たい肥化の両面から稲わらがベストだそうですが、大量の入手が難しいことで、

もみ殻を混ぜて使われているそうです。公元さんのたい肥も農家さんが積極的に引き取ってくださって

いるとのことでした。養鶏場は養鶏場だけで成らず、鶏を育てる為には餌の農家さん、敷料を下さる

農家さん、そして、たい肥を使ってくれる農家さんまでの自然との循環があるのだと感じました。

若鶏たち。羽やトサカ、立ち振る舞いの美しさに息をのみます。勇壮な雄。代表の堤田さんと、農場長の寺本さん
いよいよ出荷サイズまで生育した天草大王と対面。約140日生育。この光景がなぜか赤い花が咲き乱れているように感じました。天草大王は大きいだけでなく、とても美しく勇壮でした。代表の堤田さん(左)と、寺本農場長。「育てる技術は今や寺本君の方が上かも」と信頼を寄せる。二人ともタタキがオススメだそう!

 

 

 

天草大王の歴史

 

 天草大王は昭和初期に、不況も相まって産卵性が低いこと、外国産の安い鶏肉が増えるなどの理由で

完全に絶滅されたそうですが、約70年の時を経て、復活の機運が高まり10年の歳月をかけて熊本県内の

取り組みで復活、発祥の地天草でも平成16年に4件の養鶏場が飼育を始めました。さぞ反響は大きかった

のでは無いかと思い尋ねてみると、最初はほとんど反応がなく、自分たちでマスコミを呼んだり、宣伝を

されたそうです。「誰がわざわざ高価な鶏なんか食べるのか」消費者は、そんな気持ちだったんじゃないかと

当時の空気を話してくださいました。それが徐々に受入れられ、今の状況に至ったのは、大きいだけではなく、

消費者の求める安心安全や美味しさを追求した天草大王の生産者の想いや、それを後押しされた支援んお力が

あってのことだったのでしょう。

 

 

その想いを天草市イルカセンターを訪れる方々にも届けしたいと思います。 

天草市イルカセンターに遊びにお越しの際は、お魚だけでなく天草大王や美味しい畜産物もお楽しみください!

モモ、ムネ肉の部位ごとに、真空パックで冷凍されているで、状態良くお使い易くお楽しみ頂けます。

ぜひ地方発送も含め、天草大王公元さんの天草大王をどうぞ!

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